個人山行

個人山行 6月8日~6月9日(由布岳地形研究山行)

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由布岳ブラタモリ的登山

16382 横山秀司

昨年の秋に、私が作成した久住山のジオツーリストマップを手にもって、火口や溶岩ドームなどの火山地形を観察しながら登るという、ブラタモリ的登山が好評でしたので、その第2弾として由布岳に登ることにしました。

6月8日(土)9時過ぎに、参加者は由布岳正面登山口に集合しました。朝方までの雨は上がったものの、由布岳は雲の中でした。由布岳は四方に側火山をもち、北と南斜面は火砕流で被われ、頂上付近には約2000年前の溶岩と噴火口をもつ特色のある火山であることなど、概略の説明をした後、9時30分より登山を開始しました。野々草火砕流堆積物上のややゆるやかな草地の斜面から、ミズナラ・カエデなどからなる樹林の中を快調に登りました(速すぎるとの声あり)。合野越で休憩後登山再開。由布岳の主火山の溶岩で形成されたやや傾斜のある斜面では、登山道はジグザグ道となり、植生はやがて低木林に変化しました。見晴らしの良い場所で、端整な山体をした飯盛ヶ城の側火山とやや窪んでいる火口を確認しました。また、正面登山口の南に東西に連なる山稜(水口山)の北向き斜面が由布院断層(正断層)による断層崖であること、またこの断層崖の一部は慶長元年(1596)の別府湾を震源とする地震によって崩壊し、流山となって津江付近まで到達したことを説明しました。標高1200m付近の森林限界を超えると花の時期をやや過ぎたミヤマキリシマが現れるようになりました。由布岳の森林限界が低い位置にあるのは、乾燥しやすい火山地質、風当たりの強い独立峰であること、また約2000年前に活動を終えた新しい火山であることによるものです。由布岳山頂溶岩(安山岩)が溶岩ドームを形成している斜面に変わると、ジグザグ道は一段と急になり、皆の足の動きが鈍くなりました。11時30分、ようやく由布岳火口の縁にあたるマタエに到着しました。山頂付近では晴れることを期待していましたが、霧で被われていました。ここで昼食を取った後、霧の中、東峰山頂(1580m)を目指しました。山頂での眺望はきかず、由布岳の火口や周囲の山々を見ることができなかったことは残念でした。しかし、霧の中で咲くミヤマキリシマのピンクの花が、冴えて美しく見えました。

この日の宿は、由布院盆地の中にある九州高等学校の研修施設「由布院山荘」。山荘の源泉掛け流しの温泉に入り、足腰の疲れを取りました。

参加者14人:横山秀司、関口興洋、榊俊一、大内喜代子、小林英世、花田拓二 準会員:太郎良嘉親、支部友:目原礼子、松岡文子、塩谷夕子、星出清美 ビジター:山崎綱雄、高塚晃、近藤和広

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