令和6年5月18日(土)自然環境保全事業~ボランティア活動
平尾台のムラサキの監視活動~
16382 自然保護委員長 横山秀司
日本山岳会北九州支部の自然環境保全事業の一環として、カルスト台地の平尾台において、絶滅危惧種「ムラサキ」の監視活動を行いました。
平尾台自然観察センターの「ムラサキ:監視活動の説明会」(2022年6月)の資料によると、ムラサキは北海道から九州、朝鮮、中国、アムール等に広く分布する多年草で、 古来より、染色材料や医薬品(火傷や痔の薬)として利用されており、近年では養毛促進や肌に良い事から美容業界からも注目されているという。平尾台のムラサキは平安時代から自生していましたが、近年では盗掘や踏み荒らしなどによって、その数は減少傾向にあり、絶滅が危惧されています。そのため、平尾台自然観察センターは、2013年にまとめられた「福岡県生物多様性戦略」の行動計画に基づいて、2020年から「ムラサキの保護活動」を開始しています。また、2021年5月に施行された「福岡県希少野生生物の保護に関する条例」には、平尾台のオキナグサ、ムラサキ、サギソウ、トキソウがその対象として指定されています。
北九州支部はムラサキなど希少植物の保護活動への協力を平尾台自然観察センターから依頼され、2022年秋から監視活動を行っています。昨年は、平尾台南部で監視活動を行いましたので、今年度は平尾台北部において実施いたしました。
午前9時に吹上駐車場に集合して、センターの元職員と新任の職員から監視活動の意義・目的などの説明を受けた後、「平尾台自然保護員」の腕章を付けて監視活動を始めました。ムラサキの自生地には、すでに開花した清楚な白い花を付けたムラサキが何株かありました。今回、この活動に参加した会員の中には、「ムラサキの花は紫色」と思っていたようで、白いムラサキの花を初めて見て感動していました。皆、実生を踏まないよう気をつけて花を観察し、写真に収めました。この自生地の草地には、踏み跡がいくつもあり、入り込んでいる人たちがいることがわかりました。この日も、写真撮影をしている男性を目にしました。私たちの監視活動は、盗掘者等を告発することではなく、腕章を付けて歩くことによって、その抑止効果、自然観察のマナーアップを図ることです。今回は、監視報告すべき事項もなく終了し、14時に解散しました。
なお、本報告では、ムラサキの自生地保護のため今回の監視ルートは記さないことにしました。
参加者9人:大内喜代子 榊俊一 竹本加代子
清家幸三 三宅明子 横山秀司 太郎良嘉親 橋川潤 安藤匡
令和5年5月27日(土)
福岡Geoトレッキング・平尾台南部 北九532 大山 時彦
1 期日 5月27日(土)千貫岩駐車場集合8:30~解散14:00(約5時間半)
2 目的 平尾台の地質・地形の観察とムラサキ(絶滅危惧種)の監視活動
コースタイム
+集合8:30(横山CLより当日の目的概要説明)出発9:00→大かん台(カレンフェルト観察、断層崖)→風神岩→不動山→堂金山(カルスト地形・植物観察)→貝殻山(石灰岩と変成岩観察)→茶が床11:30(地形・ムラサキ観察、昼食)→見晴らし台→堂金山(ムラサキの監視活動)→川ドリーネ→三笠台→駐車場解散14:00
平尾台登山と言えば貫山登頂や幾つもの周回コースを何度となく経験し、山肌に広がる石灰岩の風景は素晴らしいとは感じていました。その中で今回の観察登山は平尾台の新たな魅力を発見するものでした。横山CLのきめ細やかなカルスト地形の解説、ムラサキ絶滅危惧種説明の詳細テキスト等感激するものばかりでした。私にとっては、まさに「足元を見る平尾台登山」と言えるものでした。
まず、Geo(地質、地形、地理)についても数多いドリーネから石灰岩のみかと思っていましたが、形成史から貝殻山付近の泥質片岩地域と地質が分かれ、棚田や水田が可能であった形跡が紙面上だけでなく現地確認できたことは、数億年前からの地形と人との関わりを感じるものでした。
もう一つ、植物については同行していただいた観察センターの古川さんから、平尾台には約900種類の植物が生息していることや、今回のムラサキの生息数は判明しているものだけでも150本と少ないことなど、その場その場で解説をしていただきました。ムラサキについては生育場所や子葉の形態の説明をしていただいたので、素人でも見分けがつきやすくなるなど、納得できる解説をしていただきました。それらを通じて、日々の平尾台観察センターの努力を改めて感じることができました。また、参加者の皆さんもよく花の名前等をご存じて、私は花は綺麗であれば十分との考えから種類や名称はまったく分からず、会話にはついていけませんでしたが、1種、「シラン(紫蘭)」だけは覚えてきました。
今回の例会は別用件があり、参加できない予定でした。しかし、前々日に参加できるようになり急遽申し込んだところ、快く参加承諾していただいた横山CLや町元SLにも感謝し、また、登頂だけの登山の他にも山の魅力が発見できるこのような企画に、今後もできる限り参加したいと思っています。
最後にいろいろ親切に声掛けしていただいた、参加者の皆さんにもお礼申し上げます。
参加者10人:井上禮子 丹下洽 丹下香代子 大内喜代子 榊俊一 竹本正幸 竹本加代子 町元里香 横山秀司(CL)大山時彦(平尾台観察センター古川さん同行)
森林保全巡視活動
福岡森林管理局の委託を受け年2回森林保全巡視活動を行っています。
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幼稚園・小学校の遠足登山サポート